【お見合い結婚体験談 35歳男性】
彼は自閉スペクトラム症(※)の弟を抱える家庭で育ち、結婚に対して不安を抱えていました。
(※)自閉スペクトラム症とは – 原因、症状、治療方法などの解説 | すまいるナビゲーター | 大塚製薬
親に弟を任せて、結婚して家を出てしまってもいいのか?弟のことを理解してくれる女性はいるのだろうか?
そんな家庭事情がある自分は結婚できないのでは?と悩んでいましたが、結婚相談所に相談に行き、カウンセリングを受けた日に入会を決めました。
そんな彼が結婚相談所に登録して婚活を始めたところ、年上の女性とお見合いで出会いました。
彼はお見合いの最初の会話で正直に弟のことを打ち明け、年上女性はそれを受け入れてくれました。彼女はケースワーカーという職業で、弟の障害にも寛容でした。
二人はデートを重ね、結婚を決意しました。そして、驚くことに彼女は彼の家族とも同居することに同意しました。
彼女の優しさやケースワーカーとしての能力で、弟も社会に適応し、家族も幸せになりました。この記事では、彼が結婚に至るまでどんな苦労や喜びを経験したか、詳しく紹介します。
埼玉県さいたま市浦和区の結婚相談所 株式会社KMAのお見合い結婚体験談「備忘録ブログ」です。
《相談者プロフィール》
【末永 元輝=すえなが げんき(仮名)長男・35歳・大卒・初婚・会社員・埼玉県越谷市在住・170cm・65kg・父65歳・大卒・母63歳・高卒・弟33歳・高卒・未婚】
目次
【妻は仲人名人】
昭和から平成の時代にわたり、“仲人おばさん”としての経験を備忘録としてノートに書き留めていました。今は息子の嫁が仲人を継いでいますが、少し時間ができましたので、時代はとびとびになりますが、創業者が当時を思い出すままブログに書きます。
結婚できるか不安を抱える男性の相談に乗る
このお話は約20年前のことです。約束の10時ちょうどにチャイムを鳴らした末永元輝さんは、緊張した面持ちでソファーに座りました。「結婚していいものかどうか、だいいち結婚できるだろうか…」開口一番、彼はため息をつきながらそう言った。
よく聴くと二つ下の弟が発達障害で、このまま自分が結婚して家を出ると、年老いた両親だけになる。その両親もいつかは亡くなると思うとどうしていいかわからないという。
「なんて優しいお兄様なんでしょう!」私は思わず言った。病名を聞いてみた。
「弟は生まれつきの脳機能の異常によって引き起こされると考えられている、自閉スペクトラム症です」
「自閉…」
「弟を小さいころから見てると、まずコミュニケーションがうまく取れないんです。そして彼自身にこだわりがすごく強くて、見ていてもかわいそうなくらい譲らないんです。ですから人とのかかわりがいちじるしく苦手なんです」
「今はどうなさっているのですか…?」
「家に引きこもったままです」
「お母様もたいへんですね…」
「母は自分が生んでしまったという負い目を感じているらしくて、弟には腫れ物をさわる思いで毎日を送っています。父は無関心を装っているみたいですし…、僕は会社の勤めがありますから日中はいないからまだいいんですけど…」
「それって遺伝ではないですよね」
「自閉スペクトラム症になる原因は不明のようですが、遺伝じゃないようです」
「一度は聞いたことはありますが、何か危険で重大な病気なのですか…?」
「特別人に危害を加えるなどというものじゃないんです。医師からの説明では、病気というよりも、持って生まれた特性ということです。弟の場合は、その特性を周囲に理解してもらえないことからくる過剰なストレスが引き金になって不安やうつが生じ、引きこもりに発展したようです」
「ご本人にとっては、社会に出ること自体ストレスなんですね」
「それと、そんなにこだわる?というようなことにこだわるんです。物の配置とか、物事の順番とか、勝敗、自分のやり方への強い固執なんか半端じゃないんです」
「あら、それって芸術家に多いのではないですか」
「そのようですが、弟は凡人ですから…」
結婚に踏み切れないと言われた過去の恋愛体験
二人の間に少し沈黙があった。しばらくして、「結婚のことですが、」末永さんは言い始めた。
「これまでも二人ばかり結婚してもいいという女性がいました。でも二人ともうまくいきませんでした。弟のことを言ったからじゃないかと最近思うんです」
「弟さんの事情を言った途端にですか?」
「それは、さすがに即座にはさよならにはなりませんでした」
「でしょう?あまりそのようにはお考えにならないほうがいいと思います。私に言わせると、ご両親はまだ歳だというご年齢ではありませんし、末永さんは末永さんの道を行くというふうに捉えて、幸せを求めていかれればいいと思いますよ」
と言ったとたんに、彼の眼からポロポロと涙があふれ出た。私もそれを見てもらい泣きしそうになった。
親が褒めてくれない兄弟差別を受けたつらい過去
彼はおもむろに、「ずっと若いころは弟を恨めしく思ったものでした。母や父の眼は弟にそそがれて、二人とも僕をちっとも見てくれません。成績がクラスで一番になっても、書初めで金賞とっても、第一志望の大学に入学しても両親は褒めてくれない…」
私はこの青年を抱きしめたいと思いました。しかし彼の母親のことを思えば、私も同じように、不遇の息子の事ばかり考えたかもしれないと思いました。もう一人の息子は何の心配もなく、成績が優秀であろうがなかろうが、それが当たり前のような顔をしたかもしれない。
「でも今は母が可哀そうに思えるのです。弟が生きているかぎり『先には死ねない』って口に出して言うんです」
自閉スペクトラム症の弟を支える親が心の不調
と言ってから、彼はため息をつくように、「母は毎日夜になって弟が眠りにつくとひと安心するのよ、とまで言うようになりました。それを父にいうと、『そうなんだよ、オレもそれを心配しているんだ、最近お母さん体が弱ってきているみたいだ』って言うんです」
さらに、「最近は体をだるそうにするものですから、早めに病院へ行くよう勧めたんです」
「どうしました?」
「さすがに母も自分の体調の変化に気がついていました。何科に行けばいいかわからない?っていうので『心療内科』でしょ、って言ったら『お父さんにもそう言われた』と答えました。診療を受けたら『軽いうつ病』でした。長年の心配事が高じて今ごろ症状が出て来たんですね」
一瞬苦笑いしたようにみえた。
「あなたは偉いわ。でもね、お母様にはお父様がおられるし、あなたはあなたらしく生活しなければ元も子もありませんよ。ご両親はあなたがふつうにお元気だから安心しておられるのですよ。これからはまずご自分のことだけ考えて、進んで行かなければね」
それと、と私は加えた。
「弟さんのことは負担に思わないことですね。むしろ堂々と『俺が生涯面倒をみる』という決心をしておられれば、結婚のお相手も共鳴してくれると思いますよ」
そういうと末永元輝さんははっと気づいたように眼を輝かせた。
抱え込んでいた思いや悩みを吐き出し婚活開始
私は彼に入会のガイダンスを少し丁寧に行った。「入会契約書」を私が差しだした時点で彼はすでに自分のボールペンを出していて、すぐに書き始めた。
例によって入会者がどういう傾向の異性を選ぶのかを見きわめたくて、あえて時間をとり何人か選ばせる。彼は15名ほどの女性を選んだ。学歴はまちまちだが、おおむねふっくら系の、しかも同じ歳から3歳以上年上を選んでいる。
私はまず5名の女性の所属する相談所に彼を紹介した。すると2名からすぐに返事が来た。自分が申し込んで「承諾」の返事が来た場合、できるだけ早く会わなければならない。もし気が変わって会わないということになるとペナルティーを支払うことになる。
末永さんの最初のお見合いは、立川市の高卒後専門学校卒と新宿区に住む高卒の女性とお見合いしたが、一人の人はこちらが断わり、もう一人はあちらから断わられた。私はこちらが断わるのは気にしないが、あちらから断わられることには見過ごさないようにしている。
末永さんが「どうして断わられたのか」、その理由を先方の相談所から必ず聞くことにしている。
すると先方のカウンセラーが「彼自身はたいへん感じがよくて、彼女も気に入っていたようですが、弟さんの症状を聞いて、少し引いた感じです」お見合いの時に彼は最初からはっきり言ったのだ。
これはしようがない。そうこうしているうちに、さいたま市在住の38歳・大卒の女性から申し込みが入った。実は、この女性はこちらからはまだ申し込んではいなかったが、入会時に彼が選んでいた一人であった。
こういうことはよくある。彼に連絡してお見合いということになったが、彼女は東京の相談所に入会していたが、さいたま市在住ということでうちの相談室でお見合いすることになった。
《お見合い相手プロフィール》
【今野 未希=こんの みき(仮名)長女38歳・大卒・初婚・公務員・埼玉県越谷市在住・158cm・59kg・ 父70歳・大卒・母65歳・大卒・弟36歳・大卒・未婚】
お見合いの最初の会話で弟の病気を打ち明ける
玄関のチャイムが鳴って、入ってきた女性をひと目見て「あっこの人と末永さんは合っている」と思った。今野未希さんという158cmと大きくはないが、ふっくらしていてセンスの良い着こなし上手の女性である。彼より3歳ほど年上の女性であるがなにか華がある。
末永さんはお見合い会話のスタートから、「実は僕には発達障害の弟がいます」と言ってしまった。ところが彼女の応答は、「それをお見合いの最初からお話になるというのは、なにか深い意図があるのでしょうか…」であった。
それに対して彼は、「いいえそれ以上のことはありませんが、それが理由で断わられることが多いものですから、はじめに言っておこうと思ったのです」
「私は末永さんとお見合いしに来ました。弟さんじゃありません…」
「ま、たしかに」と彼はあらためて彼女を見つめ直したようであった。今野未希さんの眼と唇はその意志をはっきり表していて美しかった。
「粗茶ですがどうぞ。このあと少ししたら駅前の喫茶店でお話しくださいね」と私は割って入った格好になった。その後二人は仲の良い姉弟のように屈託なく、楽しそうに話していた。
私は駅前の喫茶店へ二人をやったが、なにか楽しい気分であった。二人があたかも成婚のあいさつに来て、玄関を出て行ったというよう気持ちになった。案の定、夕方彼のほうから交際したい旨連絡が入り、彼女の相談所からも交際したい旨の電話が入った。
デート報告!年上女性の職業はケースワーカー
二人の交際が始まったが、私は末永さんには、デートの度ごと連絡を入れるように頼んであった。それは男女のちょっとした言葉のそごや、意味の取り違いなどによる破談を避ける意味があった。
せっかく条件的にふさわしいカップルが、永遠に結ばれることなく終わってしまうことは日常茶飯事である。それは仲人(カウンセラー)としてしのびないことであった。それをなくすためには、その誤解やすれ違いを一晩で解決することであった。
これは案外本人同士では気がつきにくい事である。事実、デートの度に報告してくれるカップルは結婚が早いものである。末永さんから電話の向こうからはずんだ声で報告があった。
「先生、今野さんは僕の理想のお嫁さんだと思います」
いつの間にか私の事を「先生」という。
「私も今野さんが最初に相談室に入られた時から直感で思ったわ。末永さんのお嫁さんにぴったりだと」
「ホントですか。すぐ言ってください!」
「まあ、すぐいうと変に暗示をかけるみたいで、影響が大きくなると思ってね」
「なるほど。でもそれをお聞きして確信を得ました。ありがとうございます」
素直に礼を述べるところは育ちの良さを感じさせる。電話は続く。
「先生、それに今野さんはケースワーカーだったんですね。ボクは気が付かなかった」
「そういえばそんなふうにプロフィールに書いてあったですね、思い出したわ。ケースワーカーっていろいろ問題を抱えて生活に支障をきたしている人の相談に乗ったり、支援したりする専門家のことでしょ」
「そうなんです、ですからと言いますか、何があってもたじろがない、本質を見失わないようなところがありますね。いろいろたいへんな職業のようです」
「そうね、人に弱みを見せられないお仕事かもしれませんね。誰でもできる職業ではないですね」
「子供ができても職場復帰する人が多いと聞きます、ですから僕は彼女を、これからは守ってあげたいと思っています」
私は「おやおや!」と苦笑したが、今野さんなら末永さんのご家族ともうまくやっていけると思った。同時に彼の弟や母親のこともあるし、彼女の気配りを含めて苦労が始まるような心配もした。
結婚後に同居する彼女の課題解決能力で家族円満
ところが「両家顔合わせ(食事会)」が終わり、結婚披露宴を半年後の来春に決まってすぐ、どういう経緯でそうなった詳しくは知らないが、二人はすぐ婚姻届を提出した。
同時に驚いたことに、彼女が末永さんの家にすぐ同居するという報告があった。これは彼女の強い思いのようであった。
「いやあ、彼女がそれを言い出した時は驚きました。彼女がいうには母親の負担を軽減してあげたいというんです。これにはうちの誰も反対しませんでした。彼女のご家族も娘が望むならということで賛成でした」
後日談であるが、寝込みがちの母親も義理の娘という援軍ができたからか元気になり、弟も未希さんのいうことにはいっさい逆らうこともなく、今では近くのレストランにアルバイトに行くようになったという。
夫婦も結婚後一年で赤ちゃんに恵まれ、その写真付きの3人のはがきが届いたのはそのまた一年後のことであった。
(この項了)
埼玉県さいたま市浦和区にある成婚第一主義の結婚相談所です。
1979年(昭和54年)創業の実績と豊富なノウハウで、お見合いから成婚までを婚活カウンセラーが親身にサポートします。
無料相談やお見合いパーティーなど、さまざまなサービスを提供しています。
アクセス:JR京浜東北線 北浦和駅西口徒歩3分
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