婚活低収入でも一緒に生きていきたい高望みしない人生が幸せの道

【お見合い結婚体験談 35歳女性】
2020年の35歳~39歳男性の平均給与を見てみると年収518万円となっている()。年収400万円ぐらいだと年齢にしては低いといえる。専業主婦となって子育てをしていく立場を希望する女性からすると、婚活相手としては対象外の男性と判断されてしまうだろう。(出所:民間給与実態統計調査-国税庁

しかし、結婚相談所での婚活を希望する30代女性、藤井愛さん(仮名)は「高望みはしません。低収入の男性でもいいんです」と言った。

35歳再婚女性

私は「う…?」となった。通常、結婚相談所で活動をする女性は、年収が高い結婚相手を求めるのが常である。

結婚相談所では入会時に、男性は「収入証明書」の提出が必須となっているので、プロフィールに記載される「年収」は信頼度が高い。

今回は、お金持ちと結婚して後悔したという、35歳で再婚を考える女性にスポットを当てた、埼玉県さいたま市浦和区の結婚相談所 株式会社KMAのお見合い結婚体験談「備忘録ブログ」です。

《相談者》
【藤井愛=ふじい あい(仮名)長女・高卒後専門卒・35歳・初婚・会社員・さいたま市在住・161cm・48kg(趣味:音楽・映画鑑賞、テニス)父65歳・高卒・母60歳・高卒・兄38歳・大卒・既婚】

《妻は仲人名人》
昭和から平成の時代にわたり、“仲人おばさん”としての経験を備忘録としてノートに書き留めていました。今は息子の嫁が仲人を継いでいますが、少し時間ができましたので、時代はとびとびになりますが、創業者が当時を思い出すままブログに書きます。

仲人名人新聞記事

お金持ちと結婚して後悔というバツイチ女性

結婚相談所に訪ねて来た、かなりの美人で、スタイル抜群の藤井愛さんは、面談したときにこう話した。

「離婚した相手も、それ以前の恋人も高学歴、高収入のエリート男性で、二人とも35歳の時に預金額が4,000万円とか5,000万円ありました。私の周りではそういう人と結婚生活を送る人はいなかったので、そんな人と結婚すればさぞいい暮らしができると思って好きになったのです」

彼女は何かを思い浮かべるようにしてから、

「でも預金額が5,000万円あっても、そういうお金持ちの人ってケチです。夕飯を外食で楽しむことはほとんどしないし、外食してもファミレスでランチを一緒に食べる程度です。プレゼントは私が言わなければ、誕生日も、クリスマスもほとんどもらった記憶がありません」

私は聞いているだけでした。

「その二人は私に預金通帳を見せました。デートしていると突然言い出すんです。“あの、見る?”って預金残高を見せたのです。預金通帳を見せるタイミングと状況が二人とも似ているんです。記帳してある数字が一桁違うんじゃないかと思いましたが、本当に4,000万円とか5,000万円なんです。あとで思ったのですけれどデートにわざわざ預金通帳を持ってきますかってことですよね!」

預金通帳を見せる男性

私はうなずきながら、声を出さずに“へえ~”という顔をして思わず、「いくら高給取りでも30代半ばの男性がそんなに貯められるものですか」と言っていた。

「まあ、大人になっても実家暮らしで、家にまったくお金を入れない、これといった遊びもしない、会社の同僚たちとは適度につき合い、無駄遣いはいっさいしませんから貯まるのだと思います」

「ふむ、でも初任給から12年間、年に400万円ずつ預金すれば5,000万近くになりますけれどねえ、現実問題からすれば少し難しいですよね」

「それが嘘じゃないんです」

「大人になっても実家暮らしとおっしゃったけど、結婚後は義両親と同居しておられたの?」

「そうなんです。邸宅に住む彼の両親と同居していました」といって顔を赤らめた。

「あなたは結婚して専業主婦やっておられたの?」

「そうなんです。まあ金銭的には不自由ってことはありませんでしたが、お金の管理はいっさいさせてもらえませんでした。彼は家と会社の往復だけの人で、お金を貯めるのが趣味のケチな人だったので、結婚してから後悔しました」

二人が離婚したのは二年前のことだったと、話の合間に語った。

結婚生活は、お金があっても幸せになれない

「何かご夫婦で一緒に楽しめることってなかったのですか?」

「近くにテニススクールがありましたので、私が誘って二人で一緒に通いました。離婚の一年前の頃でしたが、彼は今でもスクールに通っているみたいですよ」

私は、彼女の可愛い口をすぼめて言うのを聞いて、なんだかおかしかった。

「幸せな結婚って、必ずしもお金じゃないんですよね!」と彼女。

「もちろんですとも!」と強調したが、「まあ、少しのお金は必要ですけれどもね…」と私は付け加えた。

「私は結婚について少し間違っていた気がします」と言ってから、「結婚って、二人の子供をつくって育てるということもあるでしょうけど、まず二人の心持ちが落ち着くことだと思うんです」

きりりとした口調で言いはなった愛さんは、すっかり大人の美しさに変わった。

「そうねえ、言い換えれば二人の間の空気がなごやかであったらいいかと思いますね」と、私も思わず言っていた。

「ホントに!そんな人いますか?」

彼女は目を輝かせた。私は本当のことを言わなければならない。

「あの、初めからそういう人はいないと思わなければならないのよ。それは相手と一緒に築き上げていかなければならない、と考えるべきなの」

「母も、いつもそう言っています」

「でもあなたはそれをわかってらっしゃるし、事実最初の結婚は白紙になったけれど、あなたなりに、無趣味の旦那様をテニスに誘ったりして、相手と一緒に生活していきたいという努力をなさったでしょう。それが偉いわ。いまごろ彼は、まだ続けてテニスをなさりながら“逃がした魚は大きい”と思っておられるでしょう」

というと、藤井愛さんは口を押えて楽しそうに、声を出して笑った。

結婚相談所のお見合い成立率が悪い理由は?

彼女はその日に契約書類を持ち帰り、翌週入会に必要な書類をそろえて手続きを終えた。私は、結婚相談所連盟に彼女のプロフィールの掲載を申請した。

平成初期の、結婚相談所連盟に登録する会員の男女比は、圧倒的に男性が多かったので、案の定、藤井愛さんにはお見合いの申し込みが殺到した。プロフィール掲載初日に50名を超える申し込みがあった。

しかも再婚なのに初婚の男性からの申し込みが多かったのは、彼女が高卒で綺麗で、しかもスタイルがいいからだ。

さらに、お見合い相手は条件で選ぶから女性が高卒の場合、申し込む側となる男性は高卒、高卒後専門卒、大卒と学歴に関してだけでも選択者の幅が広くなる。

一週間後の土曜日に愛さんが確認しに来た時までのお見合い申し込みは200件を超えた。彼女は申し込みしてくれた男性のプロフィールを会員情報誌が綴じてあるファイルから探し出し、すべてチェックした。

男性のプロフィールをチェックする女性

彼女の一日仕事であった。選び終わって、「疲れたー!」と言って両手を天井に向けて背伸びした。お昼過ぎに相談所に来て帰ったのは午後5時を回っていた。申し込みの中から彼女が選んだのは初婚の男性2名であった。

年収400万円台の高卒後専門卒と大卒の30代後半の男性で、お見合い成立率でいうと0.01%であった。彼女に承諾してもらった男性は幸運というべきか。

そもそもお見合いの場合、申し込んで承諾してもらえる確率は低い。自分を過大評価している人が多いからである。

結婚相談所のお見合いは「条件で相手を探せる」という側面がある。お互いにプロフィール情報を見て、双方が納得の上で出会って、好きになって結婚していくわけである。

相手の家族構成も閲覧できるので、ある意味、結婚相手を選ぶという観点から言えば、理想の相手と結婚ができることになる。

しかし、真剣に結婚を考えている結婚相談所の会員さんは、気がつくと相手に求める条件が増えてしまい、それが高望みな要求となってしまう場合がある。

また、自分の婚活偏差値を考えずに、釣り合いの取れない条件で高望みを狙いすぎると結婚が遅くなる。早い結婚を望むなら、まずは自分の「婚活スペック」を知ることも大切だ。

ともあれ、私はその幸運な男性が入会している結婚相談所の仲人さんに連絡を取り持ってもらった。彼女が希望しているお見合いの日時は翌週日曜日の午後1時と午後3時であった。さいわい二人の男性ともこちらの希望に合わせてくれた。

相談所で二人を引き合わせお見合い立ち合い

当時、お見合いの会場や時間の決定権は、おおむね女性が入会している相談所にあった。私はお相手男性の顔も見たいし、どういう会話になるのかを知っておきたいために相談所で二人を引き合わせ、お見合いの立ち合いをすることが多い。

年収450万円の男性とお見合い

お相手:上場会社に匹敵する会社の営業マン。

【38歳・初婚・駒澤大学法学部卒・175cm・70kg・年収450万円・次男・横浜市在住(趣味:映画鑑賞、テニス)】

家で映画を観る男性

坂下俊(仮名)というその男性は、午後1時の5分前に相談所のチャイムを鳴らした。藤井愛さんは既にきて座っていた。彼女は薄く口紅を塗る程度でさらに美しさを増したようであった。名前の交換を私がしたあと、彼女が口を開いた。

「遠くまでありがとうございます。横浜からこの北浦和までどのくらいかかりましたか」と聞いた。

「そうですね、890円…」

「いえ時間…」

「あっ時間ですね、890円、いや80分くらいです」

自分たちのちぐはぐなやり取りに二人とも笑った。私はお茶を入れながら、今の会話はひょっとして坂下さんのウケを狙ったギャグかとも思ったが、初めてのお見合いということも聞いていたので、やはり緊張していたのかと思い直した。

「お休みの日は何をして過ごされていますか?」また彼女の問いかけである。

「そうですね。家でゴロゴロしながら、録画した映画を観ることが多いですかね…」

「映画館へは行かないんですか?」

「映画館はお金もかかるし、時間が合わないと観ることができないので、映画は部屋で観ることがほとんどです」

「テニスが趣味とプロフィールにありましたが…」

「社会人になると仕事が忙しくて運動不足だなと感じても、休日に出掛けるのが億劫で最近はあまりやってません…」

「私は、最近クッキングに目覚めたんです。実家に戻っているんですが、母からいろいろ教わって家族中の料理をつくっているんです」

「へえそうなんですか」

「料理って奥が深いんです。だんだん面白くなって今では母のレパートリーを超えてしまって…」

「…」

「ときどき兄の家族も呼んで御馳走するんです」

「…」

ひとしきり会話したところで、続きはJR北浦和駅前の喫茶店に行き、正味90分のお見合いを終了させて、彼女は戻ってきた。今日2件目の3時のお見合いが待っているからである。彼女は駅の改札で坂下さんを見送って帰ってきたはずである。

彼が入会している相談所には翌日の午前中までに交際するかどうかを連絡することになっている。したがってお見合いの時には連絡先はお互い交換しないというのがルールである。

年収410万円の男性とお見合い

お相手:中堅企業のIT関連会社のエンジニア。

【37歳・初婚・高卒後専門学校卒・171cm・63kg・年収410万円・長男・さいたま市在住(趣味:音楽鑑賞、楽器演奏)】

趣味でピアノを弾く男性

山野連(仮名)というその男性はJR京浜東北線始発駅の大宮駅から千葉方面へ向かう東武野田線の3つ目の停車駅である大和田駅から来ている。

藤井愛さんが5分前に相談所に戻ってきたが、彼女を追いかけるように山野さんが玄関に入った。例によって私は名前を紹介して「どうぞ」といってお茶入れにかかった。彼女はすぐ話しかけた。

「わざわざ来ていただいてありがとうございます」

「いいえ、どういたしまして…」

「大和田にお住まいですね、大宮で乗り換えて…どのくらいできますか?」

「時間ですか、乗り換えの待ち時間がなければ15分くらいですかね」

「案外近いんですね。私あんまり東武野田線乗ったことがないんです」

「まあローカル線っぽいとこですからね」

「岩槻駅には何回か行ったことがあります」

「人形のまちですね、雛祭りにちなんだイベントなんかも開催されますよね」

「ええ、その“雛めぐり”っていうイベントが見たくて…」

「ところで、さっき改札口におられませんでしたか?」

「いました」

「きれいな女性がいるもんだなあ、と思いながら見とれていました。今、藤井さんだったと気づきました。写真と印象が違うのでびっくりしました」

山野さんは必ずしもお世辞を言ったつもりはないようだ。

「恥ずかしいです…」

彼女はたぶん、最初のお見合い相手を見送ったことを見られたと思ったに違いない。

しかし、山野さんは頓着ない。

「ところで山野さんは、お休みの日は何をして過ごされていますか?」

さっきのお見合いと同じ質問をしている。

「さあ、その時々ですね。音楽仲間が教員をしている中学校の吹奏楽部でサックスなど楽器を教えに行ったり、自分もついでに音を出す練習をしたり、ほら家では大きい音を出せませんからね」

「なるほど…」

「土曜日はヤマハ音楽教室でピアノを習ってます」

「ピアノ、ですか」

彼女は目を丸くしている。

「シンセサイザーでジャズやポップスはだいたい弾けるんですが、ピアノでクラシック音楽を弾くことで、テクニックが鍛えられています」

「あの、ベートーヴェンとかモーツァルトとかですか?」

「そうなんです。他にもまだあるんですが、ウチの相談所の先生から、お見合いではあんまり多趣味ぶるなって注意されているので…」

「ぜひ教えてください」

山野君は頭をかいて、「絵画教室に通って油絵を習っているんです、週1回ですが…」

「すごいわ!」

「いや結婚したら全部やめます。結婚生活に全力を挙げます」

「それもあちらの先生のアドバイス?」

二人は顔を見合わせて笑った。

まとめ|この人と一緒に将来生きていきたい

藤井愛さんは山野さんと駅前の喫茶店で2時間ぐらい延々と話して相談所に戻ってきたのは夕方6時であった。

「先生楽しかったです…」

私を先生という。

「そんなに?ずいぶん長いからそんなことだと思ったわ」

「私…」

と彼女は真顔になって、「私、今日二人目にお見合いした山野さんと結婚を決めたい」

「まだ早いわよ、決めるのは…」

「いいえ、そうしたいんです」

「まあもちろん交際期間がありますからね、その間にじっくり考えて決めればいいわ」

「もちろんそうします。でも、彼と一緒に将来を生きていきたいという強い思いです。早すぎますか、こんな気持ちになること…」

「いいえかまわないですよ。結婚の決意が変わるか変わらないかを確かめる時間をつくりましょうね」

私がいうと、彼女はこっくりとうなずいた。

その3カ月後に二人は「一緒に将来を生きていきたい」という結婚の決意を固めて結婚相談所へあいさつに来た。

その後「両家顔合わせ食事会」にてお互いのご両親、ご兄弟に引き合わせ、その秋に婚姻届けを提出して一緒に暮らし始めたとの報告をいただいた。

(この項了)

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