マザコン男は結婚できない?お見合いで母を連発しては嫌われる

第9回 仲人は正直にアドバイスすることが一番いい【実践!仲人の婚活コーチング ノート】 

 

今は息子の嫁にあとを継がせていますが、少し時間ができましたので、私の実体験を書き留めた備忘録としてのノートを取り出して、私の仲人おばさんとして、人生の集大成のつもりで書きます。時代はとびとびですが、思い出すまま書きます。

 

この世界にのめり込んだきっかけは、25歳の時(すでに結婚していました)私の大学時代の同級生と職場の同僚の男性を結び付けたことが始まりでした。

 

前号・第8回の記事≫≫ 初めて母に反抗?結婚は子育てと切り離す!婚活コーチングノート の続き

 

【高島竜彦(仮名)31歳・富山医科薬科大卒・医師・171cm68kg・さいたま市在住・父60歳・大卒・会社員・母55歳・高卒・兄33歳・大卒・会社員】

 

《「ご交際、よろしくお願いいたします」と水戸の結婚相談所》

 

私の会員第1号の青年医師のお見合い相手、

 

「学習院大卒・27歳・会社員・160cm50kg・水戸市在住・父57歳・大卒・経営者・母57歳・大卒・主婦・姉29歳・大卒・既婚主婦」

 

この方と水戸でお見合いをしてきた帰り、医師の高島竜彦がまっすぐ当相談室に寄った。

 

こちらは先方の女性を気に入ったむね知らせてある。小一時間して水戸の結婚相談所から電話が入った。

 

「お待たせいたしました。ご交際、よろしくお願いいたします」

 

お見合い後の返事については、翌日の午前中いっぱいという規定になっているのは現在と同じである。水戸の仲人はしゃべりだした。

 

「それでね、先生だけに申し上げるわね」

 

仲人たちは昔から自分たちのことを“先生”という傾向があった。

 

で、水戸の仲人は、当のお見合い相手がこちらに待機しているのを知らない。

 

「あのね、こちらの鈴子さんの家系にはお医者さんが一人もいないらしいの。で、お嫁にゆく立場で考えると、どんなに旦那様から気に入られても、とくに嫁姑の問題を心配しているのですよ。それはわたくしもよくわかりますが、“まだ結婚が決まったわけじゃないでしょ?”って言いましたの」

 

《会話の中に母が、母がと6回、マザコン?》

 

 マザコン男と母親

 

と水戸の仲人は言ってから声をさらにひそめ、

 

「あのお宅のお医者さん、高島さんのお母様のことを気にし始めているの。なぜって聞いたら、高島さんの会話の中に、母が、母が、母がって6回もおっしゃったっていうの。“そんなの数えたの?”って、わたくし思わず聞きましたよ」

 

つまりマザコンじゃないのか、ということらしい。竜彦さんの母親は「受験勉強を親子で一緒にやりましたんですよ」と言っていた。そして竜彦さんのお兄さんまでも京大大学院まで行かせたくらいの猛女、いや孟女である。

 

男のほうの母親のマザーコンプレックスは、嫁ぐ女側にすると少しややこしい。嫌われる条件といっていい。

 

「ですけれど、交際したうえで判断なさればいいのよって、わたくし申し上げたのよ。先のことを心配していたらいいご縁だって逃げていきますわよね、先生」

 

と水戸の仲人。

 

「わたくしが立ち会った感じでは、高島さん、何ごとも聡明で理屈できちんとさばいていかれるお医者様だと思いますよ」

 

マザコンは理屈ではさばけない。

 

「ありがとうございます、とても素晴らしいアドバイス、今後の参考にさせていただきます」

 

と言って、交際を始める1回目のデートの日時、場所を双方で決めて電話を切った。

 

「なにか難しい問題がありますか?」

 

電話のやり取りを聞いていた竜彦さんが切り出した。本人の前では少し長い電話であった。

 

私にとっては聞くこと、やることすべてが初めてのことばかりなので、ぜんぶ話していいものかどうか、少なからずためらいがあった。しかし、この仕事はそうも言っていられない即断を迫られることが多い。

 

当時27歳であったが、なにかをつくろうことなく“愚直”なまでも正直にやるのが一番いいと、そのころから続いている考え方である。私はその時も竜彦さんに申し上げた。

 

「ありがとうございます。いままで誰も言ってくれませんでした。ありがたい助言です」

 

彼はシンから言っているようであった。

 

「私も女性の立場で考えますと、お婿さんは仕事をなさいますが、家庭の切り盛り、親類、あるいはご近所とのお付き合いなど、こまごました事まであります。そして家庭の大きな方針などを決める際には、ご主人さまの主体性を発揮してほしいところ、お姑さんの意見を全部取り入れられると、面白くない面が出てきますから」

 

「なるほど、そういうあつれきってあるかもしれませんね。私は主体性のあるほうだと思いますが、そんなに母が、母がとお嫁さん候補に連発したんでは嫌われますね。以後気を付けます」

 

「それよりも、ご交際の件はお母様になんておっしやいますか?」

 

私は気がかりな点を切り出した。母親からは「今回のお見合いだけはしても、すぐ断りなさい」と言われているのだ。

 

私は竜彦さんの言葉を待った。

 

次号・第10回の記事≫≫ お節介が功を奏す!二人のご縁を結ぶのが結婚相談所の仲人の役目 につづく

 

 

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