お見合いを成功させる表情と誉め言葉に楽しい会話
お見合いにも必勝法がある
お見合いをすれば必ずその後に、交際するのか、今日限りの出会いにしてしまうのか、いずかの決断をしなければなりません。
もちろん、いくら自分一人が希望しても、お相手がOKしてくれなければ交際は成り立たないのです。
せっかく千載一遇といえるぐらいの素晴らしいお相手とお見合いし、こちらは交際を希望しながら、その相手に断られるくらい情けないことはありません。
そういう意味からいうと、お見合いは自分の交際の判断材料を見付ける場と考える以上に、自分をいかに相手に好かれるか、気に入らせるか、ということもしっかり考えて臨まなければなりません。

これまで多くのお見合いに立ち会った経験から、失敗を繰り返している人たちにアドバイスしたいことは、お見合いを自分中心に見てしまい、相手が自分をどう見ているかということに無頓着な人がいかに多いかということです。
お見合いは、初対面の相手に自分をどうアピールするか、自分の魅力をどのように理解してもらうかという自己表現の場でもあるのです。
ここではそういった面から、これからお見合いに臨もうという方、あるいはお見合いがうまくいかない方に仲人なりのアドバイスをしたいと思います。
1.相手に好印象を与える視線と表情の作り方
お見合いに立ち会っていて二人の目の表情を見ていると、その後、その二人が交際を希望するのか断るのか、ほぼ分かります。目の表情には、その人の気持ち感情が表れるからです。
出会った瞬間、お相手が気に入らないと途端に目が曇る人がいます。お見合いをしている本人にとっても、相手の目が曇っていたら、それだけで話す気も起こらなくなるでしょう。
相手に嫌悪感を抱けば、目にも素早く表れます。目の表情は、気持ち感情の変化を正確に描くのです。
その点、交際になるであろう、見込みのあるお見合いは、二人の目の表情が生き生きとしています。
相手のことが知りたい、自分のことを分かってほしいという、気持ち感情が目の表情に描かれるのです。
人は、気になったり好意を持ったりすると相手を見つめる傾向があります。この視線のサインは人を美しくします。
相手から見られることで男性・女性どちらも綺麗になっていきます。自分がどう見えているか意識することで、容姿がワンランクアップするのです。
1-1.どんな視線が相手に気に入られるのか?

まず、話し始めるときは相手の目をしっかり見るということです。これができない人が案外多いのです。もちろん相手が話し始めたら、こちらも相手の目を見ることです。
あまり長く見つめ合うのも負担を感じるでしょう。そのときは視線を外してもいいですが、なるべく柔らかく外します。できれば斜め上に視線を移すか、お茶でも飲んで外します。
目の細い人は、相手にとってみれば目の表情がつかみにくいところがあります。そんな人は、瞬きや黒目を大きく動かすことによって視線が生き生きとしてきます。また顔をよく動かして、視線をはっきりさせることも大切です。
マスコミから流し目王子と呼ばれる俳優の早乙女太一さんの流し目は魅力的ですが、視線の動きが人の魅力をどれだけ左右するか、芸能人を手本にみてみるとよく分かります。こういったことが女性の心を刺激するのです。
1-2.相手の表情を読み取り自分を合わせる
容姿に自信のない人は、それを視線と表情がカバーしてくれます。生き生きとした笑顔はだれが見ても可愛く見えます。生き生きとした表情に見せるにはちょっとコツがあります。自分の表情を相手の表情に合わせてみるということです。
相手が微笑んでくれば自分も微笑み返す、相手が何か真剣な話を始めたら自分も真剣な顔をする、これは相手をしっかり見ていないとできません。
それだけで相手が受ける印象は格段に違うのです。ほんとうにこれだけは、だまされたと思ってやってみてください。
視線と表情、これだけ気を付けるだけでも、あなたのルックスは数段高く評価され、相手に好印象を与えるでしょう。
2.自分の魅力を引き出す身振り手振りの仕方
視線と表情の大切さがお分かりいただければ、今度は手振りや体の動きにも気を遣ってほしいものです。
たとえば映画やテレビで面白い場面を迎えると、だれでも身を乗り出すでしょう。お見合いの席でも相手への関心が高いと身を乗り出し、嫌な場合はイスにもたれたりして姿勢が悪くなったります。
お見合いをする以上、綺麗な姿勢をとらねばならないことは当然です。その上でさらに前へ前へと身を乗り出す体勢は、相手の気持ちを喚起します。あまり男性が女性に近づくと女性のなかには警戒する人もいるかもしれませんが、女性が男性に身を乗り出せば、嬉しくない男性はいません。
特に相手が一生懸命話しているときは、こちらも身を乗り出して聞くようにしましょう。必ず相手にいい印象を与えます。

それから体の動きも大切です。手振りは無意識に出ることが多いですが、これをうまく利用すると相手の視線の動きを誘導し、話に集中させるという効果があります。
男性の手振りはエネルギッシュな印象を与えます。女性の手の動きは、顔の表情以上に色っぽさや可愛さを与えます。
たとえば、頬に手を添えたり髪の毛をかき分けたりする仕種に、男性は意外に魅力を感じているものです。逆に、枝毛探しでもするかのように髪の毛をいじり出すような仕種は逆効果です。
手振りだけでなく、首、肩や胸、座り方、足、そういう体すべての動きがあなたに生き生きとした印象を演出します。
一度、鏡の前で自分の姿勢がどう映っているのか、魅力ある体の動きとはどういうことなのか、やってみるといいでしょう。鏡で見ると、自分の姿勢のどこが悪いか、よく分かります。
3.お見合い相手を褒めるコツ
相手に自分への良い印象を与える間接的方法として意外に効果が高いのは、会話の中で上手に相手を褒めるということです。
しかし、多くの人は、自分を売り込もうと自己㏚ばかりに躍起になりがちです。自分はこれだけ優れているんだ、自分のこんなところがいいところなんだと自慢するわけですからやり過ぎると嫌みに感じさせ、返ってその人の評価を落とす危険があります。

その点、相手を褒める方法は、相手を喜ばせ、結果として自分の評価を高める絶妙の婚活テクニックなのです。
ただ褒めるといっても、それこそ見え見えの取って付けたような褒め言葉を連発すれば逆効果にもなりかねません。そこで、ここでは自分の評価を高める効果的な褒め方の婚活テクニックをご紹介しましょう。
3-1.褒める順序を守り周辺からゆっくり攻める
いきなり「あなたはとても美しい」と褒められても、女性は嬉しい反面、当惑してしまいます。ストレートな褒め言葉の効果を高めるにはそのための伏線が必要です。そうしないと歯の浮いたようなおだてにしかなりません。
そこでテクニックとして覚えておいてほしいのが、脇から中心へ褒めていくという方法です。
たとえば、いきなりその人の身体などを褒めずに、最初は持ち物だとか服だとかアクセサリーなどその人に付随する「もの」を褒めるというやり方です。
「その服よくお似合いですね」「いいバッグですね」「可愛いアクセサリーですね」……。
これらの褒め言葉は「もの」のことをいっているのですが、実はその人のセンスを褒めているのです。
褒められた方もそれほど当惑することなく、意外なところで自分を評価してくれたと喜びを感じるものです。
この人とは価値観やセンスが合うなとも思わせ、一気に心理的境界線が縮まります。
「もの」の次に褒めるのは、その人の態度や行動です。「とても活動的ですね」「男らしいですね」「しっかりしていますね」などの褒め言葉です。
こういった抽象的な褒め方はいきなりいってもピントがぼけてしまいますので、相槌として利用するのが効果的です。
うまく利用するには、ある程度ボキャブラリーとしていくつかのパターンを持っていなければなりません。
最後に、表情や身体、精神といったその人の中心部分を褒めます。
「あなたの笑顔はとても素敵ですね」「とても表情が生き生きとしていますね」などの表情、あるいは「きれいな瞳ですね。とても輝いている」といった目鼻立ちや顔のパーツなどへの具体的な褒め方のほうが、「あなたは美しい」という漠然とした褒め言葉よりうれしいものです。
また、相手の精神や心を褒めるということも忘れてはなりません。
「あなたはとても尊敬できるお方のようです」「とても大きな広いお心に感激しました」などの褒め言葉などは、自分の感じた印象をさりげなく表現する言い方で、比較的抵抗なくいえるし、相手への印象もいいものです。
3-2.相手の自尊心をくすぐる褒め方
褒め方のポイントとして、その人が最初から自分はここが優れているんだと思っている点を、さらに褒め上げるという方法があります。
最初から資料やプロフィール情報で分かっているものは、そういうポイントから攻めるのもいいでしょう。身長が高い人には、「背が高くてかっこいい。羨ましい」というような具合です。
しかし、そういったことだけではなかなか会話が続きません。大切なことは、お見合い会話のなかで、自尊心を持っている具体的内容を相手から引き出すことです。人間誰だって、思わぬところにそういったことを持っているものです。
たとえばスポーツ競技、ゲームや趣味の世界などで、その人の得意なものがあったとします。仮にそれがあなたには興味のないものであっても、会話をさせてうまく褒めるのです。
その人は将棋が得意であれば、「将棋がお得意な方は頭がいいと聞きました。とてもうらやましい、素敵ですね」といわれれば喜びます。「羽生さんはすごいですね」とこちらから話を振っていけば、羽生さんがどんなにすごい人か熱心に話してくれることでしょう。
そこで「また今度、教えてくださいね」といっておけば、あなたの印象は格段に上がります。
3-3.会話が途切れたときに効果的な褒め言葉
会話が弾んでいても、お見合いの最中には何度か突然話題が途切れるときもあるでしょう。そんなときは何かを話さなければいけないと焦ってしまい、つまらない話題を出して、顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまうということがあります。
しかし、会話が途切れたときこそ、褒め言葉を出すチャンスなんだということを知っておいてください。
会話が途切れたときに「さっきから感じていたんですが、とても素敵な香水の香りですね」といわれた女性は、この人はこんなことを感じてくれていたんだと男性のことを感心するでしょう。
それは相槌のなかの褒め言葉より、何倍も効果的です。そのためには、お見合いのなかで相手のどんな点が褒める材料になるかをよく観察し、いくつかストックしておきましょう。そうすれば突然の会話の途切れも、こわくはありません。
3-4.相手のいい所を探して様々な観点から褒める
褒めることは、少々度が過ぎても構いません。よほどピント外れでない限り、褒められることはうれしいのです。そのためにも、最低お見合いの最中に3回以上は褒めてほしいものです。
1、2回ではお世辞程度にしか感じず、あなたの評価を高めるところまではいきません。しっかり相手に自分が褒められたと感じさせるには繰り返しも必要ですが、様々な観点から褒めるということも大切です。
とにかくお互い褒め合うお見合いは円滑に進んでいくものです。やたら褒め合うなんてばかばかしい、陳腐だなんて考えている人は、やはりお見合いに失敗しています。そんな人はお相手から断られています。
会った瞬間は気に入らないと思っていたお相手でも、褒めよう、褒めようとその人のいい点を探し始めると、どんどん評価が高くなっていくものです。「お相手のいいところ探し」、これこそがほんとうのお見合いなのです。
4.お見合いで楽しい会話にするための注意点
お見合いの場にいくつも立ち会っていると、会ってまもなく楽しい会話、弾む会話をし始めるカップルもいますし、その逆にまったく会話がなく、白けた雰囲気になる場合があります。
会話が弾まない時というのは、相手が気に入らないからそうなってしまう場合もありますし、恥ずかしがり屋や口下手といった性格的なものもあります。

しかし、お見合いを希望する限り、その時間にしっかり会話を続けることができるだけの話題を持って臨む、というのが最低限のマナーであり準備だと私は思っています。白けるお見合いのほとんどはもともと会話上手でない人が、さらに準備不足なのです。それはその人の怠慢です。
まずお見合いを前に、最低限自己PRする内容、聞きたいことをまとめておくことです。お見合いという場は、仕事、趣味、生い立ち、家庭環境、両親家族、人生観、結婚観など自分のプロフィールや考え方を、しっかり相手に理解してもらうことが目的です。
しかし、特に若い男性に多いのですが、相手から結婚観を尋ねられて「温かい家庭を築きたい」といったありきたりの答えしかできないような人ばかりです。相手からどういう観点で質問が来ても、自分の意見をしっかりといえるだけの準備はすべきでしょう。
ここでは、お見合いで楽しい会話に持っていくためのいくつかの注意点をご紹介しましょう。
4-1.会話のコツは張りのある声とトーンにアクセント
いいお見合いの会話を聞いていると、二人の声に張りがあります。そして丁寧な言葉遣いをしていながらも、心が通じ合うような雰囲気を持っています。誰しもボソボソ話す人より、大きな声で明瞭に話す人のほうがいい印象を持つでしょう。
たとえ相手が口下手でボソボソ話す人であっても、それにつられて自分もボソボソ話すのではなく、相手はどうあれ自分はしっかりひたむきに話すんだ、という気持ちを持つことです。
話すスピードも大切です。特に最近は速く話そうとする傾向がみられますが、速い会話は上滑りで説得力がないと感じさせる場合があります。少しふだんよりゆっくりと、しっかりお腹から声を出して話すようにしてください。
また女性の場合、かわいい話し方やちょっと甘えた話し方は、男性の心をくすぐるようです。無理してそんな話し方をする必要はありませんが、つっけんどんな話し方をしがちだと自覚している人は、会話の瞬間瞬間に可愛さを織り込むことによって、あなたの印象を数段アップさせることでしょう。
男性に媚びるのではなく、うまく男性心理をつかむことはお見合いという席では大切なことです。恥ずかしそうに俯いてみたり、ぶりっ子してみたり、かまととぶるといったことも、ちょっとした会話のアクセントです。
4-2.自分ばかり会話しない!好かれる秘訣は聞き上手
お見合いを盛り上げようと、やたらしゃべりすぎる人がいます。ところがそんなお見合いは、ほとんどうまくいっていません。しゃべりすぎてしまうと相手のほうは、私の話は全然聞いてくれなかった、仕事の話ばかりでつまらなかったという不満を感じています。
人間にとってしゃべるという行動は、意思を伝えるという側面と同時に、ストレスを発散し、精神的な浄化作用を持っているということをご存じでしょうか。
悩みごとなどは、回答がなくても相手に話せることだけで、スッキリすることがあります。お見合いの最中、何も話せないということは、たいへんなストレスになることもあるのです。その点いいお見合いは、お互いにしっかり会話しています。
つまり、自分ばかり話さないで相手にも十分話す機会を与え、相手が話しているときは、しっかりと聞き上手になることです。ちょっと簡単な相談ごとを話して、相手の話を誘うなどのやり方も案外効果的です。
4-3.メリハリの利いた会話に変える気配り
お見合いにはどうしても話さなければならないこと、聞かなければならないことがあります。これらはお見合いにおける理性的な側面といえます。
一方、話していて楽しい、相手を知る期待感、自分のいい印象を相手に知ってもらいたいといった気分的な側面もあります。恋人たちのデートなら楽しいだけでいいのですが、お見合いとなるとそうともいきません。
そういった「理」と「情」の話題の部分を、メリハリよく緩急自在に話し合えることが理想的なお見合いです。ちょっと堅い話が続いたら、たわいのない会話に変えるなど、そんな気配りもしてみてください。
こうしたトーンの変更を臨機応変にやっていくには、ふだんから多少の訓練も必要です。同僚や友人との会話、上司との応対などで随時実践してみることです。
5.まとめ
結婚相談所に入会する女性の人数が少なく男女の割合が7対3ぐらいの時代(昭和~平成の初め)は、どちらが申し込んでも、お見合いが成立すると「女性の指定する場所に男性が出向く」というのがルールでした。
当時は、今と違って自社の相談室で「お見合い引き合わせ」をすることが当たり前のように行われていました。私どもは、他の相談所よりも女性会員が多かったこともあり、お見合いに立ち会う機会も多かったので、これまでいろいろな経験をさせてもらいました。
そんな仲人からのアドバイスとして、お見合いに臨むときに考えて欲しいのは、自分の希望する条件が相手にすべて揃っていて、100%自分を受け入れてくれる人などこの世に存在しないということです。
そして、自分と同じように、相手も希望する条件があることを理解しましょう。自分を弁え、限度を得た、謙虚で、素直で、熱心な方ほど良縁に早く恵まれ成婚退会されていきます。
