初めてのお客様を前にして不安!医者を息子に持つ母親が結婚相談

第2回 ポスティングで結婚相談所の会員募集!【実践!婚活コーチングノート】

 

今は息子の嫁に私のあとを継がせていますが、少し時間ができましたので、備忘録としてのノートを取り出して、私の仲人おばさんとして、人生の集大成のつもりで書きます。時代はとびとびですが、思い出すまま書きます。

 

この世界にのめり込んだきっかけは、25歳の時(すでに結婚していました)私の大学時代の同級生と職場の同僚の男性を結び付けたことが始まりでした。

 

前号・第1回の記事≫≫ 40年前週刊誌で見つけた仲人募集!加盟金を払い結婚相談所開業 の続き  

 

【高島竜彦(仮名)31歳・富山医科薬科大卒・医師・171cm68kg・さいたま市在住・父60歳・大卒・会社員・母55歳・高卒・兄33歳・大卒・会社員】

 

《入会の決め手は全国の仲人が集めてくれた良縁ニュース》

 

入会を考えている男性医師

 

私の手作りの粗末なチラシ広告を見て、真っ先に電話をよこしたのは、医者を息子に持つ母親でした。

 

母親はソファーに掛けても落ち着きません。私は第1号のお客様を前にしてとても不安でした。ネットワーク化された仲人の集団といえども、実際1人から会員を入会させられるといっても、入会金をいただいておいて、入会させた会員さんを結婚させられるのだろうか。

 

それよりも私が20代半ばの年齢だということで、信用されるだろうかということでもあった。事実、その母親も私が説明していても、誰かを待っている的であった。つまり年季の入った仲人らしい年寄りがいずれ現われると思っているようであった。

 

「あなたが仲人さんなの?」

 

「そうです」

 

「あらお若いのね」

 

大丈夫?という目で私をみた。それに応えるように、

 

「大丈夫ですよ、少し若いかもしれませんが、本部からカウンセリングの指導を受けて合格していますから」

 

私は正面に掲げた「認定証」を指さした。あながち嘘ではないにしても、自分の母親以上の人も相談に来るのは予想していたことではあったが、面と向かうとやはりキャリア不足というより、人間の貫禄といった点では割り引いて考えてもらうしかない。

 

「カウンセリングねえ」

 

当時カウンセリングという言葉も聞きなれないし、ましてそうした職業も成り立っていなかった。

 

「息子は医者なんです」

 

と突然母親は言った。こちらが聞かないうちにしゃべりだした。富山医科薬科大医学部を卒業して、今は浦和市(現さいたま市)の総合病院に勤務しているという。31歳で身長は170cmをこえていて、一人住まいさせている。30の大台を超えたので、早く良い嫁をというわけだ。

 

私は全国の仲人が集めてくれている「良縁ニュース」なるものを見せた。目を皿のように見ていた彼女が、

 

「こんなにたくさんおられるの?」

 

と驚いた。

 

「これならより取り見取りね」

 

何か品物を選ぶような気軽さに、品性を感じられなくて、私は少し気分がよくなかった。

 

「お母さま、そういうわけにはいきません。このお見合いのシステムは、それこそお相手あってのことですし、あちらも選ぶわけですから」

 

「あら、そう言う意味で申し上げたのではないの。大勢いらっしゃるという意味で」

 

「それは失礼しました。お相手でしたらけっこういると思います」

 

「さっそく息子を越させます。お金おいくら支払えばよろしいですか」

 

「それは今日でなくて結構です。だいいち、戸籍謄本だの、卒業証明書をご提出いただくわけですし、こちらへご子息様がいらして身上書にもご記入いただきますので、その折でけっこうでございます」

 

といってから、

 

「だいいちご子息様は結婚相談所などにご入会なさることをご承知ですか?」

 

と聞いた。

 

「ええもう、病院には目ぼしい女性はいないと言っていますし、こういう所で広く、大勢の中から探したほうが、いいと私は思いますし、彼は私のいうことには逆らいません」

 

私は母親のいう「目ぼしい」という言葉と、息子のことを「彼」というのに珍しいものを見る思いがした。その時、この仕事は面白い、と思った。

 

「だいいち息子と私は二人三脚で受験勉強をしてきた、いわば同志みたいな関係ですから私が考えることは同じく彼も考えます」

 

本当だろうか。これが後になってそうでないことが露見することになる。

 

次号・第3回の記事≫≫ 入会する会員は仲人の私より全員年上!緊張しながらも婚活を説明 につづく

 

 

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