お見合いの話題ってこれでいい?僕の婚活体験記・30代男性

【体験談 あらすじ】
今日お見合いしている女性とは、話下手のはずの自分だが、会話がけっこう弾んでいる。お見合い相手によってずいぶん違うものだ、と思った。彼女が会話を引き出してくれているのだが、今日はなにかまとまった会話になっているのだ。うれしさがこみあげてくる。

埼玉県さいたま市浦和の結婚相談所、株式会社KMAのブログです。

 

前号・第9回の記事≫≫ お見合いお断りのショックを引きずらない!僕の婚活体験記 の続き

 

10回

入会した結婚相談所の仲人 カウンセラーに婚活体験記を書けと言われ、学校も職場も機械いじりばかりで、作文は書いたことがないが、この際経験してみようと思い承諾した。先はどうなるかわからない。

 

【矢橋達也(仮名)32歳・高卒・会社員・169cm・65kg・さいたま市在住・両親同居・妹1名】

 

お見合い相手の山内さん(下の名前は結婚相談所が教えてくれない)という女性【29歳、高卒、会社員(OA機器メーカー庶務勤務)158cm、50kg、東京・品川区在住、両親同居、妹1名】

 

話下手のはずの僕だが今日は会話が弾む

 

品川のグースホテルのラウンジで二人目のお見合い相手、山内さんと会っている。

 

話下手のはずの僕が、けっこうしゃべっている。相手によってずいぶん違うものだ、と思った。「おきゃん」というには控えめだが、会話を引き出してくれる。

 

たが少し会話が途切れる一瞬だがうつむき、真顔になると寂しげに見える。憂いを含んだ顔になり、ドラマのヒロインにみえてくる。

 

「私、きょうはいつもより、気分がとてもハイになってるんです。初めてのお見合い、ということだからでしょうか」

 

「そうだと思いますが、僕は逆にそうなれない自分がつまらないと思っています」

 

僕は本当に「つまらない」と自分で思う。そう言って彼女の顔を見た。

 

「私、結婚って何だろうって思うんです」

 

彼女がとつぜん切り出した。話題が変わって、テーマが大きくなった。

 

「うちには、おばあちゃんがいて、両親がいて、妹がいて、最近までおじいちゃんが生きていて、そうやって営々と人生を家族で歩んでいる」

 

僕は、彼女の次の言葉を待った。すると、今度は彼女の顔がすこしゆるんで、いま言ったことを打ち消すように、両腕を胸の前で交差させて言った。

 

「ごめんなさいほんとうにごめんなさいお見合いの席なのにこんなこと言っちゃって」

 

やればできる!思わず膝の上で拳を握った

 

「いいんです、逆にうれしいです。初めて会った人から本音でいろいろ聞けて」

 

と自分はこんなことを切り返すなど、今までできなかったと思う。今日はなにかまとまった会話になっているのだ。うれしさがこみあげてくる。

 

「やればできるじゃないか!」

 

と僕は、思わず膝の上で拳を握った。

 

「ありがとうございます」と山内さんは素直だ。そう言えば、さっきから彼女は「ごめんなさい」とか「ありがとう」とか、謝罪や感謝の言葉を率直に述べる。

 

「オレはそのたぐいの言葉は素直に言えない」と僕はあらためて思った。僕はそういう意味でも彼女がけなげで可愛い、と思えてくる。

 

「去年、祖父が亡くなってすぐに祖母が『若い頃はこんなに尽くしているのに、男は家庭をそっちのけに勝手に浮気をして年取ると勝手に女房に頼ってくる、そう思ったけど、それが人生なんだと、自分に言い聞かせてるよ。だけど今は幸せ』って言うんです」

 

彼女の本音は止まない。

 

「それを聞いて、両親も何やら子供には直接言いませんが、似たようことがあるようですし、女の幸せって、そんなに生きてみなければ来ないのか、とホントに思ってしまって」

 

「そんなに年取らなくても、幸せは来るんじゃないでしょうか」

 

また言った。これまで32年間の人生で、こんなこと言えたのは今日が初めてだ。

 

「そうなんでしょうか?私、中学の頃、大人の人にいじめられて、それ以来男性を好きになったことないんです」

 

彼女は顔を曇らせた。泣きそうだ。「えっ、それって?」と僕はロに出しそうになったが、どうにかこらえた。僕はとつぜん目の奥から、次から次へと涙が海にようにあふれてきて、頬に流れるのを止められなかった。僕は流れるままにするしかなかった。

 

それを見た山内さんは、まるで慈愛に満ちた母親のように僕を見たように思えた。僕はその顔の美しさに感動した。彼女のとなりに掛けていたら、僕は抱きすくめていただろう。

 

すると彼女の頬に、やはり涙があふれ出してきた。

 

お見合い相手の頬に涙が溢れる

 

僕は顔をくしやくしやにしながら、彼女を幸せにできるかもしれないと思った。そのとき「僕と結婚してみませんか?」という言葉がわいたが、からくもこらえた。

 

すると、結婚相談所の仲人カウンセラーの声が聞こえてくるようだった。

 

「なに言ってるの、今日はお見合いの日よ」

 

(この項完了)

 

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