娘の婚活に刺激されて母親も婚活 結婚相手に求める大学に偶然が…
お見合い結婚体験談
かれこれ14、5年前のお話です。母親が娘を連れて結婚相談所を訪ねてきました。その娘は「30歳を過ぎたので、いい相手がいたらすぐにでも結婚したい」という。
私は例によって入会のガイダンスをした。結婚相談所で婚活を始めるには、独身証明書や住民票、収入の証明などが必須。各種証明書類を提出した人だけが活動できます。
「婚活手順」を二人に説明した時、熱心に耳を傾けたのは母親の方であった。「婚活写真」と「プロフィール」が載った「お見合い会員情報誌」を見せると、“娘の婚活”で結婚相談所を訪ねてきたはずの母親も入会したい、と言い出すのである。
結論を言いますと、お二人とも私どもで「成婚」したのですが、“結婚相手に求める大学”に不思議な縁を感じる成婚退会となりました。
《相談者》
【石渡まゆみ(いしわたり まゆみ=仮名)33歳・長女 ・高卒・ 会社員・さいたま市在住・初婚・160cm・55kg・父・亡・大卒・母・大学中退・妹30歳・大卒・既婚】
【石渡美智代(いしわたり みちよ=仮名)54歳・次女・大学中退・パート・さいたま市在住・再婚死別・156cm・53kg・兄・高卒・既婚・兄・大卒・既婚・妹・大卒・既婚】
《妻は仲人名人》
昭和から平成の時代にわたり、“仲人おばさん”としての経験を備忘録としてノートに書き留めていました。今は息子の嫁が仲人を継いでいますが、少し時間ができましたので、時代はとびとびになりますが、創業者が当時を思い出すままブログに書きます。
30過ぎの娘を心配する母親に婚活手順説明
「娘が30歳を過ぎてしまいましたので、そろそろ片付いてくれませんと親としましても少し心配になりまして…」
と母親は娘について神妙である。私は入会からの「婚活の流れ」をできるだけ具体例を交えて説明した。
「結婚相談所がこれほど厳しく身元確認書類の提出をさせるとは驚きでした。なにか安心いたしますね」
「まあ私どもは、知らない同士をご紹介申し上げるのですから、万が一のことがあってはならないことですので慎重にならざるを得ません」
「私などは学生結婚でしたから大学を途中でやめざるを得ませんで、お金はありませんでしたね」
二人はまさに親子で、まるで美形の双子のようでした。母親の方が、私の話を熱心に聴いていて、まるで娘はそっちのけという感じでした。
母親は、こちらが聞いていないのにしゃべり出したが、途中で気が付いたのか、
「私のお話は何の例えにもなりませんが、でも、このように各種証明書類の提出が必須でしたら、安心して娘を入会させられます」
先の言葉の繰り返しのように言った。
「はい、そうでなければなりませんから」
そういうと、二人は顔を見合わせて、ほほ笑んだ。そうして私は実際のお見合い申し込みに使うための、「婚活写真」と「プロフィール」が載った“お見合い会員情報誌”を二人に見せた。
もちろん名前は伏せてある。年齢がアトランダムになっているので、若い人から年配まで、1ページに複数人が掲載してある。やはり母親の方が熱心である。
彼女は40歳の大卒の男性をさして、
「マーちゃんにはこんな方はどう?」
と娘のまゆみさんにいう。
「いやそんな、年齢が離れすぎ」
「あらそう?」
などと言っていながら、どうも自分に見合った男性を物色している気配である。
娘の婚活で訪ねてきた母親も入会したいの?
「この63歳の方、どうして離婚されたのかしらね」
「そういうのも私たちがご本人にできるだけ詳しくお聞きしますが、再婚が生別の場合、その理由は本当のところ分かりにくいですね。単に“性格の不一致”と書いている場合が多いですものね。そこは交際となってからご本人同士で確認なさるしかありません。でもこのお歳で再婚をなさりたいのですから、決意をもって入会なさっているはずですよ」
私はその男性の婚活プロフィールの部分を指さして言った。
「そうですよね、今度はうまくやろうとお思いになっているのでしょうね」
「お母さんも入会したら?さっきからずいぶん熱心なんだから」
と言って娘さんがほほ笑んだ。すると母親は真顔になって、
「マーちゃん、実はねここへ伺ってご説明を受けているうちに、再婚したいって思いはじめたの」
それを聞いて娘さんは「あっ」と口を小さく開けて母親を見た。
「ごめんね・・・」
という母親に、大きくかぶりを振って、
「お母さん結婚して!」
と小さく叫んだ。そうしているうちに娘さんの両目から涙がこぼれた。すると母親ももらい泣きのように涙を流した。私も目頭がうるんだ。三人とも無言のままそれぞれハンカチを使った。母親の美智代さんはおもむろに口を開いた。
「私は15年前に夫を亡くしましたが、二人の娘に恵まれて幸せでした。でもこの子には大学へ行かせられませんでしたが、もともと結婚してからは共働きでしたから何とかやってこられました」
そう言って彼女は長女のまゆみさんを見た。娘さんは何度もうなずいていた。
「夫も優しかったですから結婚してホントに良かったと思っています。今ふっと、もう一度結婚したいと思ったんです」
私は、そういうものなのかと思うしかない。私の役目は結婚したいという人を何とか結びつけることなのです。
初対面でも自分の過去を話す心理が信頼の証
「でも大変でしたね、お嬢さんたちが高校と中学でしたのでしょう」
「それですからこの子には大学をあきらめさせた悔いは残ります。でもこの子は妹を何とか大学へ行かせたい、と言ってくれましてね、協力してくれました」
と言いながら娘さんの背中の中ほどを手のひらでさするようにした。私はこれまで、初対面での辛い過去を話す人との会話を大事にしてきたような気がする。どんな人も結婚したいという局面で真実の声をあげることはよくある。私は話を聴いた。
「大学出たからどうというわけではありませんが、社会へ出てからの辞書の引き方がわかると言いますか、難しいことはわかりませんが、下の娘がそんなことを言ったことがあります」
「妹がそんなこと言ったの?」
そう言ってまゆみさんは“ふーん”と相槌を打つと宙をみた。思いだしたように、
「この前ね、久しぶりにうちに来た時ふっと“お姉ちゃん苦労かけるわね”なんて言ってたわ」
「あの子も二人目ができて目が回るくらい幸せなのよ」
「目が回るぐらいの幸せ?」
「そうなの、そんな時を思いだしてみたら、私も子育てで忙しい時が一番幸せだったと思うわ」
「そんなもんか…」
「そうですね、私も思いだしますとそういう頃がありましたよ」
と私も話に加わった。当時、年齢的にそのお母さん、美智代さんは私より8歳ほど年下でした。
お見合い承諾する決め手は親と同じ立教大学
それから二週間後の日曜日、やはり親子で相談所を訪れて正式に入会手続きをして帰った。娘さんには、連盟が発行する“お見合い会員情報誌”に掲載されて間もなく、大卒から高卒までの多くの男性からお見合い申し込みが入った。
彼女自身は、お見合い相手を一人も選んでいない。私は自分では処理できないので、彼女を相談所に呼んだ。彼女は一人で来た。10日間で50名程のお見合い申し込みが来ていた。学歴からみると、高卒が三分の二、大卒の男性から三分の一の割合であった。
彼女は申し込み一覧表を見て「うわー」と小さく驚いた。当時の男女の入会者の割合は7:3と極端に男性が多かった。現在は男女半々ということであろうか。彼女はその中から一人だけしか、お見合いを承諾しなかった。
《まゆみさんのお見合い相手》
【36歳・長男・立教大卒・一部上場会社員・東京都大田区在住・初婚・169cm・68kg・父・大卒・母・大卒・妹・大卒・既婚】
「私が高卒でもいいのでしょうか?」
と彼女が言った。
「あちらが申し込んでこられたわけですから、そのままお受けすればいいのですよ、これで結婚が決まるわけではありません。まずお見合いをして、交際に入り、あちらとこちらの親御さんなどとお会いして決めていくのですから」
「そうですか、まず交際というわけですね」
「はい。ところでこれだけ多くの男性からお申し込みが来ているのに、どうしてこの人なの?」
と私は聞いてみた。
「親と同じ大学だったからかな」
と言った。
「お父様は立教大学でしたの?」
「母も立教大学に入学はしているんです。父と母は同好会の先輩と後輩だったんですが、父が入社2年目で福岡に転勤になっちゃって、その転勤を機に母が大学中退して結婚しちゃったんです」
「そう、まあロマンティックなこと。それにしてもそれだけの理由でこの人だけを選ぶなんて、ちょっともったいないでしょ?この際もう2、3人選んでみたら?」
「いいんです。この人だけで」
「なんだかもう結婚を決めたような言いかたね」
と言って二人は笑った。
希望条件合わないが立教ボーイ申し込み承諾
翌週は母親の美智代さんを相談所に呼んだ。ただ彼女がお見合いを希望する10名ほどの男性に申し込みをしてあるが、一人からも返事が来ない。
お見合いを申し込んだ男性の年収が高いのと、年齢が60歳前の若い人を希望しているせいだ。それはお相手探しをする時点で彼女に言い含めてある。若い層と比べたら、女性は年齢が高くなればなるほど不利になる。逆に男性は60歳を過ぎると有利になる(モテる)傾向がある。
「相手も選んでいるのですよ」
と私。
「そうですよね、私の年齢からいうと70歳くらいの人じゃないとお会いしていただけませんよね」
「それはそうとは限りません」
という会話で終っていた。ただひとり、61歳の大卒の男性からお見合い申し込みが入っていた。
年収が450万円と、彼女が希望していた人よりも少ないのが気になったが、60歳を過ぎたら、いったん定年退職をして嘱託社員として会社に残ることを考えたら、このくらいの年収になる。
ただ、私が“彼女はお見合いを承諾する”と思ったのが、この男性が「立教ボーイ」ということであった。まるで娘さんに触発された格好である。結婚相手の不思議な縁であったが、案の定、彼女はお見合いを承諾した。
《母親のお見合い相手》
【61歳・次男・立教大卒・嘱託社員・東京都品川区在住・再婚死別・164cm・68kg・長男31歳・大卒・既婚・別居】
母と娘が同時入会も結婚相談所では珍しいことだが、しかもこの親子は一度だけのお見合いである。そうしてまた二人とも交際に入ったのである。
まとめ|「デートごとに連絡を…」は合言葉
「デートごとに連絡をくださいね」は、結婚相談所の合言葉。
交際に入った二人は、必ずしも順調なときばかりではなかったが、成婚へと進展した。
「交際に入ったら、そのデートごとに連絡をくださいね」
と私はどの会員さんにも言ってある。お見合いのあと交際に入るカップルは、ほぼ相手への印象がよいはずであるが、ちょっとしたことでも放置しておくと、それが増幅していき「価値観の相違」などで片づけられて「この交際はなかったことに…」とお断りになる場合が多い。
恋愛経験の多寡とは別のことに思える。お見合いの場合、履歴でうかがい知る以外、初めて会った第一印象からの延長でしかない。男女が共存していくには、「価値観すり合わせ」が大事な要素になる。それができない場合が多い。
結婚を経験していなければなおさらである。そこで私のような仲人カウンセラーを利用すればよいのである。要するに「私にデートごと報告しなさい」というのは「結婚の価値観すり合わせ」の手伝いをしているわけである。
そうすることで「ああそうか、気にしなくていいことだったんだ」と気づくのである。だから私どもへ入会すれば結婚が早いのである、と胸を張っている。
この親子は、約半年後にほぼ同時に「成婚」となったのはおめでたいことであった。
(了)
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