お見合い断られる美人女性成婚まで苦労したが相手選びに先見の明
お見合い結婚体験談
希望する条件の男性に申し込むが、お見合いを断られる高学歴の美人女性がいました。彼女が求めるお見合い相手の条件は、笑顔が似合う収入の多い男性、学歴にこだわりはありませんでした。
そんな彼女に1件のお見合い申し込みがありました。私がプロフィールを見た限りでは、釣り合いが取れないと思われる男性でした。
しかし、彼女は“ご縁がありそう”とお見合いを承諾しました。今後成長が見込めるIT業界に勤める男性を結婚相手に選ぶ、先見の明がある女性の成婚ストーリーをブログで紹介します。
埼玉県さいたま市浦和区の結婚相談所 株式会社KMAです。
《成婚者 プロフィール》
【田村紀香(仮名)29歳・立教大学文学部卒・会社員・初婚】
【妻は仲人名人】
昭和から平成の時代にわたり、“仲人おばさん”としての経験を備忘録としてノートに書き留めていました。今は息子の嫁が仲人を継いでいますが、少し時間ができましたので、時代はとびとびになりますが、創業者が当時を思い出すままブログに書きます。
ふたつの人生をひとつにしようと決めた…の葉書
時代が前後しますが、ほんの15年前のお話になります。書棚のアルバムを整理していた時、その5年ほど前に結婚した田村紀香さんという会員さんの「結婚のご報告」という「はがき」が出てきた。
7月半ばの消印であるが、4月に結婚したとあり、写真は和装と洋装の新郎新婦のもので、印刷では横書きで「今まで歩んできたふたつの人生をひとつにしようと決めました」とある。気の利いた言葉であると思った。
5年前「はがき」をもらった当初もそう思ったに違いない。その下に二人の名前と、新居の住所が書かれてあった。どれも笑顔である。男性の背は高くないが肩幅ががっちりしていて、いかにも朗らかである。
彼女は笑顔が美しい。表の宛名面の端に自筆で「暑中お見舞い申し上げます。ご報告遅れまして申し訳ありません。幸せに過ごしております」と添え書きされていた。
こちらとしては、挨拶が遅れようが遅れまいが、報告さえあれば「そうか、そうか」ということになる。毎月のように一人二人と結婚していくので、報告がなければ「どうしたかな?」とは思うが、次々と交際のカップルにアドバイスする身、電話するひまとてない。
とうぜん一人ひとりの結婚披露宴にはとても出席はできない。招待はされるが丁寧にお断わりしている。この田村紀香さん側からも「主賓」で出てほしいと再三頼まれたものである。これもお断わりした。
もっとも50歳を過ぎるころには、まれには「媒酌人」の大役を頼まれ、引き受けたことはある。こと媒酌人については、あちら立てればこちら立たず、で新郎新婦がほとほと困ったという時に限って引き受ける。
もちろん勤め人の私の旦那様をかり出す。媒酌人は妻のほうはお嫁さんの介助だけで楽であるが、亭主はたいへんである。口上を述べたり、新郎新婦の紹介、なれそめなどをまことしやかに述べたりしなければならない。もっともそうした時の台本書きは、仕事柄、私の役目ではあった。
私は男性の学歴にこだわりません
田村紀香さんは結婚のゴールまで苦労したほうかもしれない。もっとも私の苦労というより彼女が悩んだことである。ある時、
「私から、お見合い申し込みをした男性からの返事がほとんどありませんね。どういうわけでしょう」
と疑問をぶつけてきた。そういえば彼女のお見合いは、先方からの申し込みのことが多い。
当時は会員さんが入会したら、私のカメラで撮ってあげていた。他では写真撮影料と称して代金を取っていたが、うちでは、無料である。
今のカメラは「オートフォーカス」などと言って、カメラの焦点を、センサー・制御系・モーターなどを利用して自動的に合わせてしまうが、昔の古いカメラはそうはいかない。
たぶんに私の腕が未熟であったことは否めない。そして何度見ても美人に相違ないが冷たい印象があった。掲載しなおすとこちらとしても経費が掛かる、という事情もあったが、会員さんのためには、そうは言っていられないこともある。
「そうねえ、ひとつにはあなたが六大学を出ているということで、敬遠されるということはあるわね」
今でも有名ではあるが、もともと六大学とは大学野球のことで、その人気に便乗して学力も高くなったようなものであるが、確かに伝統校ではある。
しかしなぜかそこに東大が入っている。慶応義塾大、早稲田大、明治大、立教大、法政大と、野球が強いのも伝統である。東大は、いにしえの昔には強かったのかもしれない。
「私はそういうことにこだわりはありませんのに‥」
あちらがこだわるのである。高卒の男性が“僕は女性の学歴にはこだわりません”という人もいるが、田村さんの場合その逆バージョンである。今でこそ、高学歴、高偏差値の大卒の男性、女性が当たり前に大勢在籍しているが、当時はそれほどではなかった。また、彼女はそう言いながら超有名大学卒の男性から申し込みが来ても会わない。
「私は朗らかで明るい人が好きです」
とも、
「できれば包容力がある方がいいんです」
とも言っていた。
男性はやはり収入ですよね!
たしかに彼女が選ぶ男性は、いかにも笑顔が似合う人が多い。また大卒には全くこだわっていない。時に高卒後専門学校卒の男性を選ぶ。ただ、収入の多い人を選んでいる。
「男性はやはり収入ですよね」
と言ったことがある。現実的である。事実、収入は社会的に認められているバロメーターになることは確かである。
田村紀香さんは、慶応、早稲田卒などの男性から申し込まれた場合、断わらずにお見合いをしていた。やはりソコソコの収入があるし、会社も上場会社が多い。
でも、つまるところ、彼女が見込む男性像が問題のようである。“男性は収入ですよね”と言いながら、どうもそれだけではない。もちろん収入がよくても人柄とか性格とかが、トータルとしての自分が認める価値観と合致しないといけないだろうと思う。
断わっても、断わられないようにしてね…
田村紀香さんは、お見合い後の交際ということになると、10人中5人に断わられる。先方の仲人にその辺の事情を聞くと、おしなべて「なにか結婚に一生懸命ではない」というのが彼女と会った男性の印象のようである。
会員さんは皆さん入会金を払って入会しているわけだし、毎月の会費だって支払っているのだから「一生懸命でない」はずはない。
しかし、断わられるが、彼女も同時に断わってはいる。会員さんによっては、相手が断わるように仕向けてしまう人もいる。彼女はそちらのタイプのようだ。
私は常々、会員さんには、
「断わっても、断わられないようにしてね…」
と言っている。断わられないようにするには気に入られるようにふるまう。それが功を奏して断わられにくい。とにかく「断わられないようにしてね」と会員さんにはいつも言っている。
彼女の場合は「一生懸命でない」というのが大半の評価だとすると、どういうことなのか。少しわかりにくい。私は彼女を呼んで正直にきいてみた。そうすることが会員さんのためになると思うからである。
彼女は言下に言った。
「そうかもしれません。いけないことかも知れませんが、いやだなあと思うともう辛抱できなくなるんです」
私も、これまで接してきた彼女の言動で感じていたことであった。はっきりしていると言えばいえるが、二人が話していても、自分の関心がうすくなると相手と目線を交わさなくなる。それで次の話題をさぐっている気配を感じることがある。
「あなたにはそういうところがあるかも知れませんね。でもね、お互い時間を割いてお会いするわけですから、その時くらいは楽しい時間を過ごすという観点で接したらいかがですか?」
「あのう、言われれば、それはそうなんだと分かりますが、男性って錯覚を起こす人が多いような気がするんです。こちらが楽しく接すれば接するほど、自分を気に入ってくれているという…」
「それは分かります。あまりお相手に期待を持たせては、かえって申し訳ないから、お見合いの席であっても、オベンチャラを言わない、錯覚を起こさせない…」
そこまで話して、二人はなぜか顔を見合わせて、お互い笑ってしまった。私はたぶんその時、彼女の一途な心持が可愛く思ったから笑ったのだ。彼女は彼女で、私がしゃべっていることが、的確に自分のキャラを表現してくれていると思ったから笑ったに違いない。
「どうして笑いました?」
と聞いてみた。
「なにかおかしいんですもの!」
と彼女は言っただけだった。
お断わりも、橋渡しもおまかせください…
「とにかく断わられるより断わるほうが、断然かっこいいんです。あちらのお仲人さんからしても、うちの男性から断わられた女性なんだ、といういわれのないレッテルを張られるわけです。それよりも断われば“うちの他の男性がいるけどそれはどうかしら?”となります」
「そういうものですか」
「そういうものです。私たちはとにかく自分の会員さんを早くいいご縁に結ばれてほしいと願っているわけですから、情報のあるほうへ目を向けるんです」
「なるほど、よくわかりました。もう少し大人になることですね。考えてみますとお見合いの後の“お断わりも橋渡しもおまかせください”はこちらのキャッチフレーズですものね」
と彼女が言ったので二人は笑った。
「まあそうですよね。結婚となると身も心も許すことになるわけですから、生理的に手も握りたくないと思えば、このお見合いなかったことに!という気持ちになりますね」
と私が言うと、
「そうですよね!」
と彼女は両手で軽く膝をたたいた。二人が快い会話をしたあと、彼女は帰っていった。
それからしばらくして彼女にお見合いの申し込みが入った。当時、異性の掲載誌は、会員さん同士の納得の上、会員さんの自宅へ送るようになっていた。そうすることで会員さんの負担がすこぶる軽減されたことになる。もう会員選びに仲人のいる相談室へ来なくていい。
こちらも相談室が広くもないのに、土・日は決まって既会員と相談に来る相談者がかち合う。それがなくなっただけでも“自由が得られた”気分になった。
夜、田村紀香さんに申し込みが入った旨、電話を入れた。番号をいえば彼女の手元にも同じものがあるわけである。
コンピューター会社、伸びると思うんです…
「会わせてください。この方とはご縁がありそう…」
などという。それが今の旦那様になろうとは、人間のご縁とはまさに不思議である。
「えっ、高卒ですよ、この男性。専門学校は出ていますが…」
「それはいいんです。この方の会社はIT関連の企業ですよね。これからこの産業は伸びると思うんです。それにこの人可愛いです、ニコニコ笑って、お人柄がよさそうですね」
私は多くは語らなかった。彼女の慧眼には今もって驚く。いや今だから驚くのか。今、IT業界は、一大産業となり、AIロボットが人間の領域に入ろうという時代である。
ああ仲人をしていてよかった…
葉書を懐かしくみてからほどなくして、ぐうぜん田村紀香さんから写真付きの「はがき」が舞い込んだ。
「真ん中の子が長女4歳です。私が抱いているのが長男1歳です。もう一人は、脇にいる体重が減らない一番上の長男です。幸せですよ」
と書いてある。一番上の長男のご主人は相変わらずがっちりして体重も増したようである。ああこういう「はがき」を見ると“ああ仲人をしていてよかった”と思う。
(この項、完了)
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