国家公務員とお見合い優しいお人柄がうかがえる 婚活体験談30代

【婚活体験談30代 あらすじ】

医療現場での患者の診察や治療をするよりも、生活習慣病の予防で人々の健康を守りたいと厚生労働省の官僚になった、医師の資格を持つ「国家公務員総合職」の男性とお見合いをしている。

 

東大卒医学部卒で、入省後の出世が決まっているキャリア官僚ならではの苦労話の心に沁みる言葉から、彼の優しいお人柄がうかがえる。

 

埼玉県さいたま市で、成婚にこだわる婚活サービスを提供している株式会社KMA結婚相談所体験談ブログです。

 

前号・第6回の記事≫≫ お見合い相手が東大卒キャリア官僚とわかる!婚活体験談30代女性 の続き

 

目 次
  1. 国家公務員総合職ならではの苦労話を聞く
  2. 優しいお人柄がうかがえる言葉に涙をこぼす
  3. お見合い会場を後にして皇居をぶらりと散歩

 

7回

入会した結婚相談所の仲人カウンセラーさんから婚活体験談を書いたら?と言われ、はい、と気楽に引き受けてしまった。引き受けてから、確かに記録を残すことで、自分の考え、行動が、どんなふうに反応するか、まったく未知の体験だけに、書いてみる価値はあると思った。

 

【今田薫(仮名)36歳、大卒、会社員、163cm、60kg、東京・赤羽在住】

 

国家公務員総合職ならではの苦労話を聞く

 

「こっちばかりしゃべってすみません」

 

と、東大医学部卒で国家公務員総合職の田丸さんは、ぺこりと頭を下げた。私は彼が言った、

 

「医療現場で病気の患者を診察し、治療することよりも、むしろ生活習慣病の予防に取り組みたいと思ったのです」

 

という言葉に少し感動していた。私はおもむろに口を開いた。

 

「立ち入って恐縮ですが、厚生省、厚生労働省へ入られていかがですか?」

 

(※注) 厚生労働省は、20011月の中央省庁再編により、厚生省と労働省を統合して誕生。

 

「いかがと申しますと?」

 

「その病気の予防のことですが」

 

「ああ、まあ個人的に思っていたこととはずいぶんと違うんですが、私のこころざしとまったく反するということはないですね」

 

と続けた。

 

「やはり、たとえますと、街の病院とか、薬屋さんにお勤めするのと違って、たいへん大きな歯車で動いていますから、自分の非力さを感じましたね、最初の何年間は」

 

「こと志と違うとか・・」

 

「いやー志も何も、入省の頃は職場で言葉も通じない感じでしたね。要するに歯車の全体が見えないからだと思いますが」

 

「ご苦労なさったんですねえ‥」

 

と私が言って顔を上げると、田丸さんはいくぶん顔を赤らめてこちらの目を見た。

 

「苦労なんて…」

 

と彼は言ってから、

 

「辞めようと思ったこともありました‥」

 

少し神妙である。

 

「誰も口をきいてくれない時期がありましてね」

 

苦労話を聞き涙をこぼす女性

 

私は思わず、

 

「どうしてですか?」

 

と言っていた。

 

「わかりません、ただ私はキャリアという扱いで最初から入っていますが、今ごろ分かるのですが、おまえはどうせ俺たちを追い抜いて出世するんだろう、仕事の方法は教えなくてもいいんだろう、という空気があったように思います」

 

優しいお人柄がうかがえる言葉に涙をこぼす

 

「何だかわかるような気もしますが」

 

「今は役職についていますから、新卒で入ってきた男性公務員を親切にするよう見守っています」

 

私は「偉い!」という言葉を飲み込むほどに、図らずも目から涙がこぼれた。自分で「どうした!どうした!」という思いだった。こんなに感激屋だったとは!

 

分析すると、田丸慎吾さんの淡々としたしゃべり口と、その、ものおとなしい人柄に逆に芯の強さを感じたからであった。

 

彼も私の涙を見てか、もらい泣くように目に涙をためた。なにこれって!二人で涙をこぼす場面だろうか。

 

彼は急いで、ズボンのポケットから少し丸まったハンカチを私にくれた。

 

私もはっと気づいて、彼に自分のハンカチを渡していた。後で思うと少女漫画みたいだけれど、そんなことが実際の場面で起こった。

 

「あとで洗眼してください」

 

「洗顔?顔ですか?」

 

「いいえ眼です。僕のハンカチはそれほど不潔ではありませんが」

 

二人は顔を見合わせてお互い本来の声で笑った。

 

お見合い会場を後にして皇居をぶらりと散歩

 

皇居の楠公像

 

しばらくして、

 

「僕は霞ヶ関の本庁から東京駅までほぼ毎日歩くんですが、このあと皇居のほうまで歩きませんか?」

 

と田丸慎吾さんが言ったので、そうすることにした。

 

「少し太り気味なものですから‥」

 

と彼は付け加えた。

 

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